MENU

クリエイターのためのクレジット・データベース

MENU
CLOSE © COPYRIGHT BAUS, ALL RIGHTS RESERVED

「BAUS」製作現場にみる、「『MAKE TEAM』の真髄」

BAUS開発チーム

求人サイトでも、クラウドソーシングサービスでもない。プロジェクトチームに必要なスタッフを役職ごとにアサインできる「MAKE TEAM」は、クリエイティブプラットフォームである「BAUS」を象徴するサービスだ。手前味噌ながら、今年6月のローンチに先立ち、サービス構築に尽力したのは、勤務先も役職も、働き方もバラバラのクリエイターたち。まさに「MAKE TEAM」の価値を示す試金石となるプロジェクトチームだったのである。そこで今回は、製作過程を振り返る座談会を開催。メンバーは写真左から、「BAUS」事業部長の田中啓志朗(株式会社モーフィング)、ディレクターの重田友香(株式会社クスール/写真左中)、テクニカルディレクターの岡崎大典(株式会社クランク)、WEBエンジニアの扇 克至(株式会社ストロボスコープ)、UIデザイナーの森本友理(株式会社グッドパッチ)。クリエイター陣が口々に「仕事がしやすいチームだった」と語る理由とは!?

ーー今回のプロジェクトチームが組まれた背景を教えてください。

田中:そもそも、弊社にはプロダクト開発を行うエンジニアがいないんです。だから、去年、弊社で「BAUS」の構想が固まってきた段階で、まずはWEBエンジニアの扇さんとテクニカルディレクターの岡崎さんにお声がけさせていただき、加わっていただきました。

:最初に打ち合わせに参加させてもらったのは、去年の10月頃でしたね。まだローンチの時点で盛り込むサービスの領域を話し合っている段階でした。

岡崎:そうですね。私は扇さんの紹介で打ち合わせに加わったのですが、主に「何を、どこまでやるのか」という要件定義の作業を担当させていただきました。とくに、「MAKE TEAM」という新しい考え方のサービスを過不足なく実現することが最も大事だと思っていたので、制作コストとのバランスを見ながら、必要ないと思った機能は省く提案をさせてもらいました。

田中:岡崎さんも扇さんも、かなり踏み込んだ領域にまでアドバイスをくださいましたよね。

岡崎:私は自分の会社を2名で回しているので、普段から大きな案件は有能なフリーランスの方をアサインすることが求められます。それこそ、プロジェクト単位で幅広い人材を募れる「MAKE TEAM」は自分の仕事を助けるサービスになると思っていたので、強い熱量を注がせていただきました。

:自分の仕事が増える環境を作ろうとしているわけですから、やる気が出ないわけありませんよね(笑)。発注内容を言われた通りにやることが正解の仕事もありますが、今回は「ここが使いにくいと思う」などと、エンジニアとしてユーザー目線の意見を遠慮なく言わせていただきました。僕も含めて「BAUS」の可能性に期待しているメンバーが集まったチームなので、前向きな議論ができる空気ができていましたね。

田中:UIデザイナーの森本さんも、「BAUS」の思想に共感して参加してくださったメンバーの一人です。

森本:私が勤めている会社は副業がOKで、パラレルキャリアも推奨しているんです。業界的にも新しい働き方が広がっていると思いますが、基本的に仕事は委託する側と請け負う側に「共通の知り合い」などの接点がないと広がらないものですよね。「MAKE TEAM」はそんな垣根を飛び越えて人材を繋ぐサービスだから、私もやりがいを感じながら取り組ませていただきました。

田中:森本さんと重田さんのデザイナーチームが加わったのは今年の1月頃で、ワイヤーフレーム(大まかなサイト設計)が出来上がっている状態だったと思います。

重田:私は森本さんを含むデザイナーチームのまとめ役を担当させていただきました。ワイヤーフレームを森本さんにデザインに落とし込んでいただき、それをモーフィングさんや他のデザイナーにも共有して、主にWEBページ全般の見え方の交通整理をさせていただきました。「MAKE TEAM」は概念が新しいからこそ、分かりやすいデザインに仕上げることに注意を払いましたね。

 

ーー「BAUS」の製作過程でこだわったポイントをお聞かせください。

田中:「奇抜なデザインは逆効果になる」という共通認識がありましたよね。ひとつのプロジェクトに対して、いろんな職種の人が募集されていることが分かりやすい作りになっていると思います。UIも、情報の一覧があって、そこにアクションボタンがあるという既存のルールから逸脱しないようにしてもらいました。

森本:学生さんも、第一線で働くデザイナーまで、ターゲットが幅広なので、誰にでも使いやすいUIであることは意識しました。ユーザーが馴染みやすい「既視感」は大切にしつつ、一方で、「MAKE TEAM」という新しいサービスを提供するプラットフォームとしてのブランド力も出すことが課題でした。「MAGAZINE」も、最初はサイドバーやリンクをたくさん張る方向で作っていたのですが、それだと垢抜けないデザインになりがちなので。「BAUS」のどのページを見ても洗練されたイメージを保つことを心がけました。

重田:森本さんのデザインとモーフィングさんの意向に食い違いがあれば、私が間に入って調整する立場ですが、幸い「クライアントVSデザイン現場」の喧嘩を仲裁する機会はなかったですね(笑)

岡崎:TDの立場から言うなら、「クライアントVSエンジニアリング現場」の喧嘩もありませんでしたよ(笑)。スムーズに意思疎通を図れるチームだったので、全般的にチーム全体が同じ方向を向いて制作を進められましたね。

田中:まさにその通りで、皆さんのようにプロジェクトに共感してくれる方々とチームを組めたことで、プロジェクト走り出しからローンチまで意思疎通面でのストレスなく、そして非常に早いスピード感で推進することができました。私の経験上、大手のシステムインテグレーターなどに丸ごと発注すると、多少なりとも細やかな意思疎通に気をつける必要がでてきます。場合によっては「言われた通りにやりましたけど、何か?」といったスタンスで、予算を大幅にオーバーした請求書を突きけられることも。一方で、皆さんのように、こちらと同じ熱量で取り組んでくれる方々がいれば、対等に議論を重ねてプロジェクトの構想をシェイプアップすることができるんです。スタートアップの初期チームの作り方として、スキルを持った人よりも、価値観が一致している人を優先しろ、という言葉がありますが、「BAUS」開発チームではまさにこれを体現したチーム作りができたと思います。内部、外部に関わらず、自分たちのビジョンや成し遂げたいことに共感してくださる方を「MAKE TEAM」することがいかに大事かということを、身を持って実感しています。

岡崎:そう言っていただけると、ありがたいですね。例えば、制作過程でモーフィングさんからは、「MAKE TEAM」にしろ「RECRUIT」にしろ、もっとユーザーに手取り足取りガイドをするようなシステムを作りたいという意向もありました。ただ、「BAUS」はユーザー同士の今後ギャランティのやり取りを請け負うサービスの開発なども見越していますし、細部を徹底的に作り込むよりは、クリエイターの総合的なプラットフォームを作り上げるという本質的な領域にコストを回すべきだという提案をさせていただいたこともありました。

:プラットフォームを運営していく側が直面するはずの課題を「見て見ぬフリ」しないのは、アラフォーエンジニアの美学ですね(笑)。「BAUS」のローンチから約5ヶ月が過ぎて、個人的には「MAKE TEAM」でボランティアを募集できるのが斬新だなと思いました。

田中:「MAKE TEAM」は、サービスを押し付ける「機能」ではなく、自由に使える「箱」なので、今後も幅広い使い方が出てくると思います。「自分はこういう仕事なら強い熱量を持って行う」と掲示して、クリエイターが仕事を逆指名するような使い方もできるんですよ。「RECRUIT」も、企業ではなく個人がアシスタントを募集するケースが何件も生まれて、多くの若手クリエイターが応募されています。今後も幅広いクリエイターの要望に応えられるプラットフォームとしてサービスを充実させていきたいですね。

:僕も弟子が必要になったら、「RECRUIT」で募集してみたいと思います。

重田:個人同士のやりとりができるのが新しいですね。

田中:私としては、内部のエンジニアリソースが足りないスタートアップ企業にどんどん「MAKE TEAM」を使ってほしいですね。大企業のようにエンジニアを大量採用してマネジメントする体力がなくても、システムインテグレーターにドカンと丸投げする資金力がなくても、ここにいるような人財を集めることができるので。これまでは接点がないと仕事が頼めなかったような方々とも繋がりを持てるので、今後はみなさんのような優秀なクリエイターは取り合いになってしまいますね(笑)

岡崎:そうなるように頑張りたいと思います(笑)

PROFILE

田中 啓志朗

1986年奈良生まれ。2006年、慶應義塾大学2年次に株式会社モーフィング創業。 2009年大学卒業後、株式会社リクルートに入社。主にライフスタイル領域にて、事業戦略、マーケティング、新規事業立ち上げ、子会社の経営管理などを担当。人工知能関連スタートアップを経て、2016年、株式会社モーフィングに復帰。BAUS事業部長 兼 CFO。

PROFILE

扇 克至

1978年富山生まれ。広告代理店の営業からウェブデザイナー、そしてエンジニアに転身。現在はテクニカルディレクターもたまに。JavaScriptとRuby on Railsが好き。ウェブアプリケーションを作るのが好きなので、お仕事募集中です!Reactやりたい!

PROFILE

岡崎 大典

1979年北海道生まれ。2002年大学卒業時に上京、当時盛り上がっていたウェブ業界に飛び込む。 その後2006年秋にフリーランスとして独立。プログラマやエンジニア、テクニカルディレクターおよび技術講師として活動。2014年に同じくエンジニアの弟と2人で株式会社クランクを設立。犬と仕事と酒とロードバイクと麻雀が好きです。

PROFILE

森本 友理

1985年大阪生まれ。AID-DCC Inc.で、デジタルプロモーションを中心としたデザインを担当後、現在はUIデザイナーとしてGoodpatch Inc. に所属。「Kirin green name」のWebデザイン、「androp “bell” music video game」のアートワーク、「Eye play the piano」のインターフェイスデザインなど幅広い領域でデザインワークをおこなう。東京TDC賞、The One Show、カンヌライオンズ、ほか受賞多数。

PROFILE

重田 友香

1990年神奈川生まれ。システム会社でのシステムエンジニアの経験を経て、ウェブ業界に転身。 現在は自身も受講生として学んだWebの学校 クスールに所属し、ディレクター、フロントエンドエンジニア、講師として活動。ただいまクスールとDeNAにて共同運営を行うWebクリエイティブのためのイベント、「dotFes」に向けて日々準備中です。

写真・池本史彦 文・浅原聡 編集・紺谷宏之

関連記事

  1. 人の幸せを基準に。住民の声が届く、行政とのまちづくりシステム

    READ MORE
  2. 松江翔輝の「学生クリエイターが見ている『今と未来』」

    READ MORE
  3. PARTYに聞く、「プロジェクトを前に進める、原動力」【前編】

    READ MORE