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京都の本屋と、東京のイラストレーター。距離を超えたチームづくり。

山田毅(只本屋)× 竹本浩平(イラストレーター)

2017年6月、BAUSのオフィシャルサポーターでもある京都の本屋“只本屋”は、「只本屋のオリジナル紙袋を彩るイラストレーターを募集します」というMAKETEAMプロジェクトを立ち上げた。同店で毎月制作しているオリジナルの紙袋をBAUSに登録している多彩なクリエイターと作成しようと言うプロジェクトだ。その中で出逢ったのが東京のイラストレーターの竹本浩平さん(写真・左)。出逢うことのなかった京都の本屋と東京のイラストレーターがBAUSによって繋がった。対談では、只本屋店長の山田毅(同・右)を聞き手に、竹本さんの働き方、イラストの仕事、そして今回のイラスト制作プロジェクトについて聞いた。

個人事業主であり、会社員でもある働き方

山田さん:大阪出身なんですね。東京に出たのは何がきっかけだったんですか?

竹本さん:僕は美術大学出身じゃないんですよ、関西学院大学出身で。大学3年生、就職活動でスーツを着たくないなって思っていたころ、大学の前に広告の制作会社があって、そこのアートディレクターと飲み屋で知り合ったんですが、。みんなキラキラしていたんです。そうやって魅力的に見える人が、たまたまデザイナーだったりアートディレクターだったりするから、自分に合っているんじゃないかって思って。彼らを通じて仕事のことを知るうち、「大阪いてもあかんなぁ」って思って東京に出てきました。

山田さん:今の仕事は何になるんですか?

竹本さん一応会社に所属しています。とはいっても会社に勤めている5人みんな、フリーランスとしても働いてます。やっていることも多様で、それぞれのスタンスでそれぞれが仕事をしている。案件によっては、会社でやることも自分でやることもある。みんな個人事業主なんですけど、会社に所属してることになってるんで、毎日出社をしているんです。時間の使い方は比較的自由ですけどね。

自由度の高いイラストの募集、条件の中でどれだけ遊べるか

山田さん:今回、僕の運営する只本屋が、BAUSのMAKE TEAMのサービスを使って、「只本屋のオリジナル紙袋を彩るイラストレーターを募集します」というプロジェクトを立ち上げました。只本屋には全国各地から集まったフリーペーパーを設置していて、来ていただいたお客さんには8冊まで自由に持ち帰っていただくことができるんですが、もっと持ち帰りたいという方にはオリジナル紙袋の販売していて。オリジナルの紙袋には、毎月違うイラストを採用しているのですが、今回、BAUSに登録している多彩なクリエイターとつくってみたいと思い、募集をはじめたわけなんです。そこに応募くださったひとりが、竹本さんでしたね。

山田さん:BAUSに登録しようと思ったのはなんでなんですか?

竹本さん:僕は今27歳なんですけど、30歳とか40歳の方々をみていると、仕事で培ってきた人脈とか関係性の中で仕事が生まれることがあると思うんです。BAUSには、そういう意味で自分を見てくれる人を探したいっていう想いがあって登録しました。

山田さん:BAUSは何で知ったんですか?

竹本さん:知人がFacebookにシェアしていて知りました。「クラウドサービスだけど、ちゃんとクライアントと連絡を取るんだ」「ポートフォリオをあげるだけじゃないんだ」とか思いながらみて、登録してみようかなって。BAUSのサービス紹介の動画制作メンバーに、僕の知っている方たちも多く関わっていたので、そういう意味でも、サービスの質は担保されてると思って。

山田さん:なんで今回応募をしようと思ったんですか?

竹本さん:本屋さんっていうコンテンツの中で、装幀とかではなくて、自分のイラストが出現し、入り込むっていうのが面白いなと思いました。もちろん自分のイラストを描く機会を探してたというのもありますけど。

山田さん:なかなかイラストの募集ってないですもんね。

竹本さん:ないですね。特に、今回は結構テーマも丸投げだったじゃないですか(笑)

山田さん:そうですね(笑)

竹本さん:どう書いて欲しいというのがあってイラストを描くのはデザイン寄りのイラストだと思うんですけど、今回は結構アート寄りっていうか、枠組みが結構ぼやっとしてて。

山田さん:こちらから提示したテーマは、①「人物がいること」 ②「本屋さん」③「季節感」でしたよね。

竹本さん:条件の中でどれだけ遊べるかっていうのが僕は重要だと思っていますし、その「遊べる」っていうのが自分の楽しみにもつながってます。

山田さん:実際、今回は応募が20件くらいあって、中でも竹本さんのイラストには僕らとして面白みを感じたんですね。イラストにちょっと面白みを盛り込むみたいな考え方が見えてきた。その辺りが只本屋としてぐっと来たんでしょうね。

竹本さん:その辺は広告やってた時から、気をつけてたところなんです。

 

BAUSのポートフォリオ機能やInstagramは僕なりの履歴書

山田さん:映像やグラフィックなど、いろいろ仕事をされていながら、BAUSのポートフォリオやInstagramにはイラストしか載せないんですか?

竹本さん:あれは僕なりの履歴書だと思ってるんですね。私はこんな作品を描いて、こういうことをやっていきたい人間なんですっていう。だからそれ以外のものは載せないようにしています。

山田さん:イラストを描いていきたいんですか?

竹本さん:イラストを描いていきたいっていうのはあります。でも狭いなぁとも思います。もともと僕は前の会社でグラフィックデザイナーとしてグラフィックデザインをつくりながら、映像をやったり、ときにはイラストを描きながら企画もやったり。全部を全部やっていたんで、片方だけに寄ってくるとそこだけに縛られちゃうような気もして。力や時間のかけ度合いを、いまはイラストには重きをおきたいと思ってるんですが、全部が全部それになるとそれって楽しいのかな、楽しくはないんじゃないかなぁって思ってます。

山田さん:Instagramで、最近イラストを描けてなかったって投稿してましたよね。

竹本さん:そうなんですよ。僕がイラスト描くのって、会社が終わってからの夜10時から深夜2時位の間なんです。集中してやりたいんですよ。この数時間に、アイデアをゼロから出して、ラフスケッチして、実際に書き終わるところまでやって、Instagramに載せて終わり。なので、結局帰ってくるの遅くなるとできないですよね。イラスト描けないのは残念ですけど、基本的には忙しいことは良いと思っています。

山田さん:今のテイストはいつ頃できたんですか?

竹本さん:もともと僕は前の会社でグラフィックデザイナーだったので、イラストは使う側だったんですね。いろんなテイストのイラストってあるんですけど、自分が描いたらどうなるんだろうって思って描き始めたのが1年半か2年前。以前のイラストは割と表情が豊かであからさまに怒ったり笑ったりイラストだったんですけど、結構直接的な表現に近いんじゃないかなって思って。笑いとか怒りって相手に伝えるっていうのがもうそこにあるんで、それさえも削ぎ落として無表情って言う「相手に感想をゆだねる」表現の中でやってみる、そしてその中に構図だったりユーモアだったりアイデアを盛り込んでいったらどうなるのかなあっていうのが今のテイストのきっかけです。

山田さん:独立とかは考えてるんですか?

竹本さん:いやー、そんなに考えてないですね。イラストそれ自体が独立することを考えてます。「イラストレーターの名前は知らないけど、このイラスト知ってる」みたいなそういうことです。イラストが一人歩きしてくれるといいですね。それが理想です。なんか著作権フリーのイラストってあるじゃないですか。あれってすごいなぁと思ってて。つくってるのが誰か知らないですよね、だけど見たことあるっていう。そっちの方向の方が面白いんじゃないか。もっと何か身近なものになるといいですね。

 

出身地の人と一緒に仕事ができる楽しさ

山田さん:京都の本屋に自分のイラストがあるっていうのはどういう感じですか。いつもやってる仕事の納品みたいな感じに近いんですか?

竹本さん:あまり強い実感はまだないんですが、でも関西が出身なので想像はつきます。仕事を始めたのが東京なので、実は関西の仕事は初めてなんですよね。だから、関西の人たちと一緒に仕事ができるっていうのは嬉しいことでした。自分のルーツに対して何かできてるっていうのは、いいなぁって。

山田さん:さっき大阪出身と言う話を聞きましたが、僕は東京出身なんですよ。だからその僕は東京の方とお仕事ができて、逆に、自分のルーツである東京の人と一緒に仕事できてるのがはやっぱり楽しい。

竹本さん:僕の場合は、東京にいればいるほど関西に愛着が湧いてくるんですけど、東京出身の方は、やっぱりその出て行った先で東京に対して何か思われますか?

山田さん:東京にもよると思うんですけどね。僕は小平市の出身で、23区外なので、東京なんだけど東京じゃないみたいな。東京背負ってる感じじゃないんですよ。

竹本さん:僕も大阪背負ってないんですけどね(笑)

山田さん:だから、いわゆる「東京」に対しては愛着は無いんですが、でも地元の仕事は何かやってみたいなぁと、最近思います。

山田さん:今回の募集では、8月、9月、10月の3ヶ月間のイラストをお願いしているんですが、次回最終回のアイデアはもうありますか?

竹本さん:いやーないですよ。ないですけど、京都らしさとか日本ぽさみたいなものの中で、何か表現したいなと思っています。京都に知人がいたので、それで京都行ってたんですよ。それこそ清水五条(只本屋のあるエリア)とか。だから京都のイメージは湧くんですよね。

山田さん:そういう経験が少なからずイラストにも出ているのを感じて、いつもお任せしています。どんぴしゃでイメージがあがってきて「いいじゃん!」ってなることがあって嬉しいです。次も期待してます!

PROFILE

只本屋

只本屋は、京都の清水五条で月末の土日のみオープンするフリーペーパーのお店です。全国の素敵なフリーペーパーを取り揃えています。また定期的にイベントも開催。 〒605-0871 京都府京都市東山区慈法院庵町594−1

PROFILE

竹本 浩平(たけもと こうへい)

1990年生まれ。大阪府富田林市出身。関西学院大学 → デザイン専門学校卒業後、株式会社アストラカンに、グラフィックデザイナーとして入社後、映像制作やイラスト制作などにも携わる。退職後、株式会社アーツワゴンにデザイナー兼イラストレーターとして所属。

写真・佐藤千咲子 文・山田毅 編集・上野なつみ
取材場所提供:リトルトーキョー

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