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目から鱗の連続。インスタ写真のコツを学ぶワークショップ「ローソンインスタ研究所」レポート

人気フォトグラファーに教わる「インスタが120%楽しくなる!人の心を掴む写真を撮るコツ」

「インスタグラマー」「インスタ映え」という言葉が飛び交い、ブームを通り越しすっかり常用ソーシャルメディアに仲間入りしたInstagram。人の心を掴む写真をアップしたいと思っている人も増えているはず。そこで今回は、1月某日国分寺にあるPARTNER LOUNGEとあまた食堂を会場に開催された、株式会社ローソンが主催する写真撮影ワークショップ「ローソンインスタ研究所」を潜入取材した。ローソンのMACHI Caféスイーツがずらりと並ぶカウンター、そしてそのカウンターの奥の方からは美味しそうなコーヒーメーカーの音。そんな会場には、25名ほどの参加者が顔を揃えた。今回の講師は、2010年Instagramのリリース直後から今までずっとInstagramに写真を投稿し続け、多くの人からの支持を得るフォトグラファー、いわば「元祖インスタグラマー」の6151さん。Instagramを通して、人々の心にダイレクトに響く“いい写真”とは、一体どういうものなのだろうか?“いい写真”を撮るためのコツやスキルを教わった。

スマホで使えるテクノロジーを最大限に駆使

今回の撮影のテーマは「MACHI Café」。ワークショップでは、“コーヒーのある風景をうまく切り取るには”というポイントを念頭に置きつつ、スマートフォン(以下、スマホ)を使って誰でも簡単に真似できる、日常風景とブツ撮りをマスターすることを目指す。

ローソン研究所スタッフ、筑間俊介さんから商品のこだわりや企画の趣旨が語られた

さっそくGENIC LABの木村優紀子さんをモデレーターに、講師6151さんのレクチャーが始まった。

「オススメの小物は果物。季節感を出せるもので、発色がよく、食べた時に美味しそうな組み合わせを買う」
「カメラもスマホも明るさの調節は手動で」
「色んなものを並べないで、撮りたいものをど真ん中に置く日の丸構図で撮る。シンプルに、余白を生かす。上級者になってきたら、たくさん並べる」

講義内容は、こうした実践的な撮影テクニックが盛りだくさんだったが、一番のポイントは、スマホで使えるテクノロジーを最大限に駆使し、世界観を作り込んでいくことだという。

「スマホでは、カメラで撮れないものが撮影できます。例えば、カメラではファインダーを覗き込みながら写真を撮りますが、スマホでは普段の自分の視点とは違う、真上や真下から撮ることが簡単にできます。撮影後は、美しければあまりいじる必要はないですが、フィルターをかけると自分が想像していたものと違う景色が映し出されて、とても幻想的。加工して初めて分かる発見が、また楽しいですよ」

そう言って、6151さんからいろんなおすすめ加工アプリが紹介された。さらに、ただ物を並べたり風景を撮ったりするだけではなく、ストーリー性が感じられるように工夫することが大事という。

 

物語を想像させることを大切に

「単に物や風景だけを撮るのではなく、ストーリーを感じることを大切にしています。例えば、足や手など体の一部を入れると、人の存在を伝えることができますよね。人物が登場することで、写真に物語が生まれる。その景色を撮っている誰かがいて、どんな想いを抱いてるのか、見ている人が想像力を膨らませられるよう心掛けています」

「今日はできるだけ真上または真横から、対象物に対して平行の位置からまっすぐ撮ることを意識してみてください」というアドバイスで、前半のレクチャーが締め括られた。

疑問は講師に相談して、即実践!

アイスブレイクを挟み後半のワークショップでは、4〜5名のチームに別れて撮影をスタート。和気藹々としつつも参加者の皆さんは真剣な眼差しで、講義のポイントを踏まえて撮影、次々と力作がアップされた。実際に撮影を始めてみると、光源に対してできる影の処理の仕方、たくさん撮った写真の選び方、加工アプリの使いこなし方など、参加者から多くの相談が投げかけられた。

6151さんの周りに人だかりが。参加者からの質問一つひとつに実践的なアドバイスを返す

撮影後には、撮影された中からいくつかの写真について6151さんから講評があった。
「どれも力作ばかりでどれを選ぶか悩んだ」と言いながらも、それぞれの作品のどこが良いのかポイントを解説する6151さん。紹介された作品にはそれぞれ盛大な拍手が送られた。

yukari(@noel_miso
イラストと一緒に撮ったところと、撮影者の手が入っているところがいいですね。それから、まっすぐ撮っているので、パッと見てすぐ目に入りますよね。カップが真ん中にあるのも大事なポイントです。揺れていないし、文字もまっすぐだし。影が入っているのも素敵だなと思います。この影になんとなく人物を感じますよね、男性か女性かはわからないところに、どんな人物なんだろうと思いを馳せることができます。

 

yoko_tokyoiventlife(@yoko_tokyoiventlife
余白の使い方が素敵ですね、お皿の中でビスコが輝いています!お皿が真ん中にあってももちろん良いと思いますが、端っこに寄せたことで主張が和らぎ余白が増える程、控えめな印象に仕上がると思います。

Akiko Kishi(@rose3273
個人的にこの写真がすごく好きです。コラボしてますよね、これは一人だとできないんですよ…。私は一人で撮影することが多いので、「誰か」が存在する風景は届けたい主張だけを削り出して写真の中に余白を作ることで、見る方にその物語の想像を委ねているのですが、このように人物が入ってくると、「このふたりは…?」というところまでストーリーを作ることができる。こういうことがパッと思い浮かんでできるアイデアは素敵ですね。

#ローソンインスタ研究所

Akiko Kishiさん(@rose3273)がシェアした投稿 –

 

たくさん“いい写真”をみて、試行錯誤を繰り返す

最後に、ローソン研究所の筑間さん、そして6151さんに今日のイベントを通して感じたことを率直に語ってもらった。

筑間さん:今日はありがとうございました。テクニックも、個々に細かいところまで教えていただいたので、とても勉強になりました。私もローソン研究所のブログ用に撮影をするんですが、素人なのでどう撮ったらいいのかなっていつも悩むんですよ。

6151さん:私も、実はここまで独学なんですよね。今まで事務所に入ったこともないし、誰かに教わったこともなくて、他の人の写真を見て学んできました。自分で調べて学んできたことで今があるからこそ、自信を持ってみなさんに「これ楽しいよ」って言えるんです。

筑間さん:今日のイベントを見ていて、こうやって試行錯誤してできるんだなって思いました。みんなで集まって、他の人のやり方を見て、さらにこうしたら面白いんじゃないのっていうやりとりが大事なんだなと。

Instagramフォロワーの言葉に支えられて

6151さん:そうですね、それが最高だと思います。よく、「自分の写真なんか」と言う方がいるんですけれど、私も写真を始めた当初はそうでした。Instagramに写真を投稿するうち、私の写真を見た人の半分は褒めてくれて、半分はダメ出しをしつつもアドバイスをしてくれたりする。そうやってみんなに支えられて今があるので、考えすぎず、ラフに、簡単に、撮影やSNSでの共有を楽しむことを大切に続けています。だからみなさんにも写真撮ることも発信することを今よりもっと好きになってもらえたら嬉しいですね。

筑間さん:僕はついシャッター押す前に構図とか色々考えちゃうんですけれど、今日の撮影方法を見ていると、とりあえずとにかく撮っていって、その中からいい写真を選んでいましたよね。今の時代っぽくて面白いなと思いました。

6151さん:本当にもうたくさん撮る。プロもそうだと思うんです、モデルさんを撮影するのに、一回の撮影で3000〜4000枚くらい。それが100枚で済むなら天才な方じゃないの、くらいの感覚で撮ったらいいんじゃないかなと思います。あとは、撮ることだけでなく、たくさんの写真を見ること。独学と言いましたが、私は写真を見るのもすごく好きなんですよ。だから勉強と言えば聞こえはいいけど素敵だと思う光景をたくさん見て、それを自分なりにアウトプットした結果が「6151」なので、“好き” を集める感覚で誰かの写真に触れることも大切にしています。自分の視点とは違う気づきを与えてくれるのは、いつも自分以外の誰かが見た光景でした。だからとにかく自分の“好き”を持ち続けて、宝物を集めるような感覚で写真を楽しんでください!

イベント終了後のインタビューだったが、またすぐに人だかりができてプチ・トークショー状態に。最後まで6151さんのお話を聞き漏らすまいと、熱心に耳を傾ける参加者たち。「他にも似たようなワークショップに行ったことがあるんですが、今日が一番勉強になりました」「すごく楽しかったです。早速家に帰って実践するのが楽しみ」「これまでも工夫して撮っていたんですが、まだまだだなと思いました。アプリ、頑張って使いこなしたいです!」など、今回のイベントを真剣に楽しんだことが伝わる感想を語ってくれた。

印象的だったのは、イベント中に繰り返し6151さんが口にしていた“伝えたいことをシンプルにする”という言葉。写真はただ誰かに見せるためだけにあるのではなく、色んな人とのコミュニケーションツールの一つだと考えた時、“いい写真”とは、人と人とが繋がる写真のことなのかもしれない。

PROFILE

6151

Instagramをきっかけにフリーランスに転身したフォトグラファー。トラベルフォトからブツ撮りまで幅広く手掛け国内外で企業とのタイアップ撮影や雑誌やウェブで活動する傍ら、各地でフォトワークショップを開催するなど「写真の楽しさ」を広く伝える活動にも取り組む。Hanako(マガジンハウス)でトラベルフォトグラファーとして連載中。SK-IIやshu uemuraなどコスメブランドのイメージ撮影の他、CanonやGQ JAPAN主催のフォトワークショップ講師の経験あり。

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