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制限時間2時間で「自由な働き方」にまつわるサービス案をプロトタイプせよ。

全国で人気の問題解決型デザインイベントー「DESIGNJIMOTO」vol.11ー

去る11月10日、Adobe主催の地域課題をデザインで解決するイベント「DESIGN JIMOTO」が、国分寺の美大生向けコミュニティスペース「D-LAND LAUNGE」にて開催されました。地域の課題をデザインの力で解決することを目的に、各地域のクリエイティブコミュニティーとAdobeがタッグを組んで実施してきた本イベント。Vol.11となる今回は、AdobeとBAUSの運営元、株式会社モーフィングがコラボし、美大生に「クリエイターの自由な働き方」にまつわる課題を解決するサービスを考案してもらいました。参加者同士でチームを組んで、制限時間内に作品をつくり上げそのプレゼンまで行うという、ライブ感に満ちた当日の様子をレポートします。

これまで福岡、奈良、宮城、東京、三重、、群馬など全国津々浦々で開催され、数多くのデザイナーや地域住民を巻き込んで熱気あふれるイベントとして人気を博してきた「DESIGN JIMOTO」。今回は、主催者の武井史織さん(Adobe Creative Cloud Community Manager)から、参加者を美大生対象にして開催してみたらどうだろうという話をいただき、共同で開催する運びとなりました。

武井さんから、「デザインで課題を解決するだけでなく、参加者間でイベント後にも続くつながりが生まれることも特徴です。」という話を聞いていたのですが、初対面で二人一組のチームに振り分けられた美大生を見るとみな緊張した面持ち…どうやってここから一緒に制作まで行うのだろう?と思っていると、アイスブレイクタイムが始まりました。

アイスブレイクで行われたのは、2分間でペアとなった人のネームプレートに似顔絵を書きましょうというもの。発表された瞬間、さすがは美大生。一気にペンを持って書き始めます。お互いの似顔絵を交換し、「カワイイ!」「こんなに目細いかな(笑)」など、あちこちからにぎやかな会話が聞こえてきました。

会場の雰囲気がほっこりしたところで、今回のテーマ「クリエイターの働き方」について、モーフィングの吉田と小松から考えるキッカケとなるような事例紹介が行われました。

近年多様化するクリエイターの働き方を、「企業内での自由な働き方」「多様化するフリーランスの職種」「複数の肩書きを持つ“スラッシャー”文化」という3つのタイプに分類。これまでBAUSで取材させてもらった事例などから抜粋して紹介しました。しかし、働き方が自由になる一方で、そこには沢山の課題がついて回ります。これについても3つに分けて紹介しました。

①時間と場所(セルフマネジメントや、打ち合わせの場所を全て自分で用意しなければならない)
②人、モノ(人脈がつくりにくい、アトリエや作業のための設備がない)
③信用(既存の繋がりがない人から信頼を得ることが大変、銀行から融資が受けにくい)

そうして、自由な働き方とそれにまつわる課題について考えるネタを紹介した上で、プロトタイプを作成する上で使用するツール「Adobe XD」について仲尾毅さん(Adobe Creative Cloudエバンジェリスト)からのレクチャーが。

昨年正式にリリースされたばかりの Adobe XDは、デザインからプロトタイプ、共有までをこなすことができる今大注目の最先端ツール。使ったことがない人がほとんどという参加者に向けて、仲尾さんがゼロから丁寧に説明してくれました。

イベント終了後、参加者に聞いてみると、「はじめて触りましたが、直感的に使いやすくて、操作で戸惑うことはほとんどありませんでした」「簡単にプロトタイプを作成することができて便利だと思いました」など、好印象でした。

さて、テーマやツールについての理解を深めた上で、いよいよお待ちかねの制作タイムがスタート。わずか2時間のなかで、サービス案のプロトタイプ制作からプレゼン準備まで行うという、激烈タイトなスケジュール。当日の写真を中心に現場の臨場感をお伝えします。

まだ働いた経験がない美大生だからこそのアイディアが楽しみです。
ケータリングでお菓子をご用意しました。
紙に書き出してアイディアを整理する様子が多く見られました。               
ところどころでスタッフが入ってアイディアの活性化をお手伝い。
徐々に形が見えてきます。
エバンジェリストの仲尾さんも全力サポート。
残り時間とともに表情が真剣になってきます。
互いに助け合いながらゴールを目指します。
時間がない......
焦りと闘いながら最後のブラッシュアアップ!
残り3分のカウントダウン。
みんな必死にPCに向かっています。
最後の動作チェック。
プレゼン用のシートを埋めてやっと完成!

制作終了後は息をつく暇もなくプレゼンタイムのスタート。「プレゼンするのは初めてで緊張しました」と言う人が多かったのですが、みなさん堂々と自チームのアイディアを発表していました。

そして、全員投票の結果Winnerに選ばれたのは、武蔵野美術大学1年生ペアがつくったサービス「Sheeep」。「みんながみんな悩める子羊」をテーマに、知恵袋的にユーザーが悩みを投稿し悩みを軸に人が繋がるサービスで、フリーランスをはじめ、自由に働けるようになると、質問できる人が身近にいなくなったり、人脈が広がらなくなってしまう、という課題を解決するべく考えたそうです。

あとで話を聞くと、それぞれ芸術文化学科とデザイン情報学科の異なる専門を勉強しているペアだったそう。「アイディアをまとめるところと、それを形にするところでお互いの得意分野を活かしながら連携することができました」と教えてくれました。

他にもカレンダーをシェアすることで、他の人がどんな時間の使い方をしているのか知ることができる「I’horaires」や、周りに知られずに副業に挑戦できる「Anonymouse」、友達の友達まで限定でいまやりたいことを発信できるSNS「ONEGAI」など、新しいクリエイターの繋がり方を提示するようなサービス案が発表されました。

気づけばあっという間にすぎた計5時間の本イベント。参加者アンケートでは、「ワークショップには初めて参加しましたが、とても良い勉強になりました。これからも、もっと色々なことにチャレンジして行こうという気持ちになりました」「2時間で自分の全力を出しきることができなかったので、またリベンジしたいです」「初対面ペアでどうしよう、と焦っていましたが結果いいつながりをつくることができました」「XDを極めようと思いました」など、前向きな感想を多くもらいました。

運営側としても、デザインという共通言語で美大生がコラボする様子は見ていてとても気持ちがよかったです。次回も学生をテーマに開催する予定ですので、行き逃したという方はぜひ情報をチェックしていてください。

>>Adobe DESIGN JIMOTO 公式ページ
https://blogs.adobe.com/japan/serialization/designjimoto-event-series/

写真・平本晴香 編集/文・市村光治良

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