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PARTYに聞く、「プロジェクトの動かし方。未来への種まき」【後編】

日本のみならず、世界のクリエイティブアワードで数々の受賞歴のある「PARTY」。東京とニューヨークにオフィスを構える同社は、VRやIoT、ビッグデータなど、最新テクノロジーとストーリーテリングを融合し、新しい体験をデザインするクリエイティブ・ラボだ。「PARTYの仕事を通して、世の中に新しい価値を提供したい」。こんな風に口を揃えるのは、数々のビッグプロジェクトを縁の下で支えてきた田中潤さん(写真・左)、阿久津達彦さん(同・中)、高野公寛さん(同・右)。3人の職業欄はPARTYのプロデューサー、プロジェクトマネージャー。その業務内容は多岐にわたる。インタビュー後編では、手がけたプロジェクトをとおし、プロデューサー、プロジェクトマネージャーの役割をいま一度、浮き彫りにする。

ーー協力会社と連携しながら、プロジェクトを本格始動。実際に手がけた広告キャンペーンを例に、PARTY流のモノづくりについて聞かせてください。

田中さん: SUNSTARさんと2年の歳月をかけ、共同開発したIoTプロダクトが「G・U・M PLAY」です。“新しい歯みがき体験”をテーマに、歯ブラシにアタッチメントをつけることで、スマートフォンと連動。その日の気分や使う人に合わせ、3つのアプリを開発しました。すでにお話したとおり、このプロジェクトも打ち合わせ当初から、PARTYのエンジニアに参加してもらい、“歯ブラシIoT”のプレゼンに向け、プロトタイプを作ってもらいました。実際に動くものがあると、クライアントさんへの説得力も違います。

高野さん:3つのアプリについては、各領域に強みのある開発会社さんに制作してもらいました。例えば、ゲーム感覚で歯みがきができる「MOUTH MONSTER」は、子供向けの細かい演出が得意な会社に、歯ブラシが楽器に変わる「MOUTH BAND」は、別の制作会社さんにお願いするなど、多くのパートナーの皆さんに協力してもらうことで、発売するに至りました。

阿久津さん:今年2月からの3ヵ月間、期間限定でオープンした、ネスレさんの“キットカット”の新サービス「バレンタインポスト」もまた、お陰さまで好評でした。バレンタインデー前からバーチャルなチョコを贈り合えるこちらは、Facebook やTwitterを使ってユーザー同士がコミュニケーションできるサービスです。タイトな制作スケジュールを乗り越えるため、仕上がりのイメージを実装前から共有できる協力会社さんに依頼。協力会社さんの中の個別のスタッフィングについても、依頼/相談させていただきました。チームビルディングにおいても、協力会社さん単位だけではなく、そこで働いている方々のバックグラウンドやスキルを知っていたからこそ、最適なチームをつくり、短期間で走り抜くことができました。

ーー現在、PARTYのリソースを使った「自社サービス開発」にも力を入れているとのこと。具体的にはどんなサービスをリリースしていますか?

阿久津さん:自社サービスの開発にあたり、大切にしている想いは“問い”です。つまり、「こういうのはどうですか?」っていう世の中へ投げかけや提案。「未来にあったらいいな」と思えるモノをつくることが、もしかすると人類の進化につながるっていう。

田中さん:例えば「Deeplooks」は、最新のDeep Learningテクノロジーを利用し、人や物など、さまざまな“見た目”に対する抽象的な評価を数値化する画像解析APIです。このテクノロジーを使い、エンターテインメントから実用的な用途に至るまで、さまざまな分野で“見えなかった価値”を見える化していけたらと思っています。客観的な数値から似合う洋服選びができるようになったり、スポーツの芸術点の評価ができるようになったり……。目下、「Deeplooks」をベースにしたサービスを共同開発できる企業を募集中です。PARTYは“イノベーションの種”を巻き続けていきます。

PROFILE

PARTY

2011年設立のクリエイティブ・ラボ。東京とニューヨークにオフィスを構え、日本のみならず、世界のさまざまな課題やクライアントのニーズに対応。ビッグデータやVR、IoTなど、最新テクノロジーとストーリーテリングを融合し、未来の経験をデザイン中。国内外のクリエイティブアワードの受賞歴、多数。

写真・下屋敷和文 編集/文・紺谷宏之

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