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PARTYに聞く、「プロジェクトを前に進める、原動力」【前編】

日本のみならず、世界のクリエイティブアワードで数々の受賞歴のある「PARTY」。東京とニューヨークにオフィスを構える同社は、VRやIoT、ビッグデータなど、最新テクノロジーとストーリーテリングを融合し、新しい体験をデザインするクリエイティブ・ラボだ。「PARTYの仕事を通して、世の中に新しい価値を提供したい」。こんな風に口を揃えるのは、数々のビッグプロジェクトを縁の下で支えてきた田中潤さん(写真・左)、阿久津達彦さん(同・中)、高野公寛さん(同・右)。3人の職業欄はPARTYのプロデューサー、プロジェクトマネージャー。その業務内容は多岐にわたる。インタビュー前編では、「形を変えながら進化し続ける」PARTY流プロデューサー論、プロジェクトマネージャー論を聞いた。

ーー普段、PARTYのプロデューサー、プロジェクトマネージャーとして、どんなことを考え、どんな仕事をしていますか?

田中さん(Executive Producer):新しい体験をデザインしたい。25人ほどいるPARTYの社員は、いつもこんなことを考えています。クライアントさんと一緒にやる広告キャンペーンの時も、自社サービス開発の時も、この想いは変わりません。社内を見渡すと、社員にはそれぞれ得意技があり、例えばクリエイティブ・ディレクターにしても、デジタル領域に強い人もいれば、アート寄りのモノづくりに長けた人もいます。

高野さん(Creative Producer):それぞれの個性を生かせるように、プロジェクトの内容によってチーム編成を考えます。全体を統括する僕らプロデューサーの役割は、技術的なチャレンジが求められるアイデアを形にするために、最適なメンバーを集めることから始まるわけです。

阿久津さん(Project Manager / Information  Architect):加えて、PARTYが手がけるプロジェクトは、仕事の依頼がきた時点で明確なブリーフがないことがほとんどです。クライアントさんの課題はどんなところにあって、何をやりたいのか。ブレストの段階から、CDもコピーライターもPMもエンジニアも全員同じ土俵に立って意見を出し合います。そして会議では必ず、技術的なハードルが立ちはだかります。「このアイデアは技術的に乗り越えられるのか?」。まだ世にない新しい価値を作りだすプロセスは簡単ではありません。怖さもあります。その怖さをコミュニケーションで解決するという信念をもち、実装の前段階からエンジニアによるフィージビリティチェックを何度も行います。みんな、絶対に諦めない(笑)

田中さん:諦めたら、モノづくりの本質的なところを失ってしまう。こんな想いをみなが共有しているところも、PARTYらしさかもしれませんね。企画の段階から、実現可能性をどれだけ引き上げられるかが、プロデューサーやプロジェクトマネージャーの役割のひとつだと思います。クライアントさんの課題を解決に導けないようでは、僕ら、要らない職種ですから。

高野さん:話を被せると、とくに学生さんや若い人にとっては僕らプロデューサーやプロジェクトマネージャーが、どこで勝負しているのか分かりにくいと思われます。世の中にはプロデューサーと名乗っている人がいろいろいるじゃないですか。映画や音楽、イベントだったり、TV番組のプロデューサーとか。人それぞれ、いろんなやり方があるし、どれが正解かっていうのはないけれど、共通して言えるのは“課題を解決できる人”がプロデューサーやプロジェクトマネージャーなのはたしかだと思います。

阿久津さん:クライアント、制作チーム、ユーザー。3つの視点を鑑み、そのバランスを見ながらプロジェクトを進めていけるか否かは、僕らの腕の見せどころです。あとはどれだけ打率の高いチームを作れるか。例えば映像だったら、面白いギャグ系が得意なディレクターもいるし、ドキュメンタリーが得意なディレクターもいる。いろいろな村がくっついて街になるように、プロジェクトごとに最適な人をマッチングし、毎回、形を変えながら進化していけたら、プロデューサー冥利に尽きます。

 

後編に続きます。

PROFILE

PARTY

2011年設立のクリエイティブ・ラボ。東京とニューヨークにオフィスを構え、日本のみならず、世界のさまざまな課題やクライアントのニーズに対応。ビッグデータやVR、IoTなど、最新テクノロジーとストーリーテリングを融合し、未来の経験をデザイン中。国内外のクリエイティブアワードの受賞歴、多数。

写真・下屋敷和文 編集/文・紺谷宏之

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